【道具】道具の話あれこれ

仏像彫刻を続けていると、色んな「道具」が必要になってきます。また体の状態によっては道具によるサポートが有効な場合もあります。買ってもよいし、借りてもよいのですが、教室や同好会で「道具」の話題になった物をいくつか、紹介します。

ソーガイド
ノコギリをまっすぐに挽くためのガイドです。地味に便利。特に底の部分は平らに挽かないと像が傾きますから、きちんと挽きましょう。
万力・バイス
木を切る時、木を固定する道具が必要です。昔ながらの万力に加え、作業台に固定して木を挟んで使うタイプもあります。挟める木の径はできるだけ大きい方が後々使えます。10cm以上、できれば15cm以上あるもの。卓上固定型だと10cm以上が意外と見つからなくて、「SK11 ユニバーサルホビーバイス」が手頃な価格です。
直角定規
像の中心線が斜めになっていないか確認したり、直角を出すのに使います。特に中心線は、地味な作業ですが大切です。
ノギス
最初は100ショップの商品(プラスチック製)でも事足ります。深い位置で測りたい場合はホームセンターで売っているようなきちんとした(長い)金属製を買ったり、100円商品の足(外側ジョウと呼ぶそうです)を付け足して延ばす工夫を。
ピンバイス
小さな穴を開けるために使います。例えば錫杖を持つお地蔵さんの手や、唐草模様の光背を彫るための穴など。
プラモデル用品のタミヤ精密ピンバイスがおすすめです。ベーシックなドリル刃5本セット(1~3mm)に、必要に応じてもっと細いor太い刃を買い足していくのがいいかと思われます。プラモデル用品店やAmazonなどにあります。電動が良ければ電動ルーターを探しましょう。
電動彫刻刀
粗彫りの量が多かったり、手を傷めている時には非常にありがたい道具です。
粗彫りには、14mmくらいの径の大きな浅丸(別売)が効果的。駆動時間が長く万能に使える東京オートマック製は専用刃でないと付きませんが、リョービ製とプロクソン製はチャック径が同じなので替刃に互換性があります。
耐刃手袋
彫刻刀が手に刺さらないための耐刃手袋は検索すると色々出てきますが、安全のため、2000円以上の物をおすすめします。電動彫刻刀を使う場合にはぜひ。
滑り止め付き薄手手袋
グリップ力の補助に。薄い綿手袋にゴムの滑り止め(ボツと呼ぶそうです)が付いている物が作業しやすいです。ホームセンターで売ってます。もっと握力をしっかりサポートしたい場合は指なし着圧手袋みたいな物も有効です。
拡大鏡
ハズキルーペ(日本製)利用者が多いです。どの拡大率が自分に合うかは売り場で試着を。ホームセンター・眼鏡店・大型家電店で見かけました。海外製品はレンズ面の厚さが不均一で当たり外れがあります。
持ち運ばず位置固定で使うならLEDライト付スタンドルーペもいいです。
彫刻刀砥ぎ機・砥石
革バフの砥ぎ機、砥石、水を流しながら使う縦回転の砥ぎ機など、人それぞれです。
仲間内では、革バフの砥ぎ機は三木章のNewモーターシャープナーとケインドレイクのシャープナー楽珍有りが多いです。水を流すタイプは、使用者によれば、性能はいいけど使う場所を選ぶから結局使わなくなったとのことでした。砥石は彫刻刀用のものが市販されています。
簡易砥ぎなら、アルミホイルでさっとこすったり、道刃物のEZケアーも役に立ちます。
自分で砥げなくても、砥いでくれる刃物店や、教室の先生が請け負ってくれる場合もあります。ただ、彫刻刀はできるだけ頻繁に砥いだ方が切れ味をキープできますので、彫刻を続けるなら自分で日常的に砥げる方法を探しましょう。切れない刃物は余計な力が入ってケガにつながります。

以上、あれば彫りやすくなる・精度が増す道具あれこれでした。今後も追加すると思います。気になる物がありましたら、ここに挙げた製品名や単語を使って検索してください。

彫刻初期から必要になる物は別途まとめてあります。⇒【仏像彫刻を始めるなら】まず必要な道具

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